都市の方舟/Arc of The City
我々は何に乗り
何処へ行くのか?


新型コロナウイルスの流行により、都市がロックダウンされたり、人と人の交流が無くなったり、世界は国、都市のレベルで様々な対策に振り回されている。そして、この都市の行く末を委ねられた私たちは、その都市というものに乗ってどこへ行こうとしているのか? 中川運河を中心に制作された表現を新たな形でリプレゼンテーションすることで、この「都市の方舟」を映しだすことができるのではないだろうかー

gallery tour



4F|企画展 都市の方舟


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(4)加藤マンヤ「フリクション」2002年 90×150×290cm
(5)天野入華「Creatures」
(6)野田智之「STONES OERFORMERS」
(7)河村陽介「アメンボライダー」
(8)浅井雅弘「Fake Existence[real-KURONOZ]」2021
(9)武藤勇「都市ノ泥太郎」 協力:山勝染工(株)
(10)宮本宗「星屑の荒野」
    (10)-1~12
(11)Clemens Metzler クレメンスメッツラー「運河のリズム・シリーズ」
    (11)-1~4
(12)野田智之「A dog barks」
(13)野田智之「RHINOCEROS」w3500×h1400
(14)浅井雅弘「wild vegetables[daikon] 2019 インクジェットプリント
(15)浅井雅弘「これはキュウリの写真です」2019 インクジェットプリント
(16)前川宗睦「sole stamp#1〜#3」
    (16)-1〜4
(17)宮本宗「Surveillance Ogre」
(18)加藤マンヤ「ダブル・モノローグ」2008年 140×240×120cm
(19)坂本和也
    (19)-1「Cycle」2013、2273x1818mm、Oil on canvas
    (19)-2「Underwater」2014、2273x1620mm、Oil on canvas
    (19)-3「Breath」2013、1620x2273mm、Oil on canvas
    (19)-4「Greengrass」2016、1818x2273mm、Oil on canvas
(20)前川宗睦「sole stamp#4〜#8」1〜4
    (20)-4~8
(21)浅井雅弘「Fake Existence[KURONOZ1〜5] 2021インクジェットプリント
    (21)-1~5


3F|中川運河Artoc10ワークショップ成果物展示


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(1)杉山享平「女子高生-a」「女子高生-b」
(2)日笠 保「ナカガワ・アートキャンプ@旧ボストン美術館」
(3)野田智之「アートドール」

参加アーティスト




Fake floating 2018


耕作されたイメージⅡ 2019

浅井雅弘
http://www.asaimasahiro.com/

1985年 愛知県生まれ。2012年 名古屋芸術大学 大学院 同時代表現研究領域 修了。
実在と不在を主題とし、写真をベースに様々なアプローチを試みている作家である。一本の糸がそこに貼り付けられ実在するように見える写真作品「thread area」や、実物大で印刷し切り抜いた写真を空間に再配置する「fake existence」など、思い込みや見間違いなどによって生じる曖昧な存在感を積極的に作り出すことで、見た目と事実との間に矛盾をはらませる作品を制作している。今回の作品「fake existence [KURONOZ]」では、紙の薄さや反りをそのままに配置し、曖昧でありながら違和感のある存在を出現させている。
主な展示に、個展「そこにある」(studioAMR、2019)、「Delayed choice Photograph」(刈谷市総合文化センター、2017)、グループ展「ART FARMing」(錦二丁目界隈・2019)、「BORDERLESS 2018 Laundry」(アートラボ あいち、2018)、「あいちトリエンナーレ 企画コンペ」(丹羽幸ビル、2013)など。

Creatures


Tree Crown

天野入華
http://irikaamanoartworks.blogspot.jp

記憶に連動する感情を軸にして“佇まい”や“存在感”をテーマに制作する。制作プロセスを通じて日常の中に生じる情景と連動する感情に向き合い可視化を試みる。今回の作品「creatures」は、過去から現在に至るまで、そこに在り続けた「何か」を可視化する試み。「何か」は時間と記憶を内包しながら未知の生き物のように静かに強かに在り続けるのではないだろうか。
1984年愛知県出身。2009年度名古屋造形大学造形学部修了。2010年より金属とガラスを素材とした立体造形やインスタレーション作品の制作を行う。主な活動に、2013年「Asia and rise2013」(釜山)に出品。2015年に国際交流アートプロジェクトONGAESHI art exchange 展(ブレーメン)にて滞在制作。「material 展」jilldart gallery(愛知)。2016年、中川運河リミコラインアートプロジェクト(愛知)にて滞在制作。2017 年には作家数名と共同パフォーマンスの公演「nahe ナーエ」「あめつち」(愛知)に企画出演。個展「光にかざす」on  miner project(愛知)。 2018年「ART NEXT vol3」(愛知)など

Alchemist 3(錬金術師/ポケットトランペット) 40×40×28cm ミクストメディア 2002年


二重否定 210×210×105cm ミクストメディア 2000年

加藤マンヤ
http://manyakato.sakura.ne.jp/index.html

名古屋を代表するコンセプチャルアーティスト。日常の既製品に少しだけ手を加えた、奇妙でありながらも笑いを誘うユニークなオブジェが特徴。立体作品を主に手がけるが、シンプルな構成のビデオ作品も発表している。 今回の出展作品の一つ「ダブル・モノローグ」では、水が2つのバケツを飛び交う。これは作家がかつて都市の循環は機能的に見えているが実は生産性はないのではないかと考えていた頃の作品で、生産性がないからこそ循環し続ける。循環そのものの美しさを見てもらいたい。
愛知県豊田市出身。1986年、同大学大学院芸術教育学科を修了。その後、愛知県からの助成金を得て、1997年渡英。1999年、イギリス国立ノッティンガム・トレント大学大学院(MA)を修了。 帰国後は精力的に発表し、2008年、石田財団芸術奨励賞を受賞。 主な展覧会では、刈谷市美術館での個展をはじめ、国内外の美術館やギャラリーでの個展・グループ展を多数開催。主な展覧会は、「PARADOXA」Casa Cavazzini イタリア(2016年)や、「アイチアートクロニクル1919-2019」愛知県美術館(2019年)などがある。

MOBIUM


TEXTRON

河村陽介
http://www.mobium.org

情報メディアを用いたインタラクティブ作品の制作やワークショップを行なっている。今回の、作品アメンボライダーは、中川運河リミコラインアートプロジェクトで、運河の、上をアメンボのように。歩いてみたいという思い出作った作品。
近年はプロジェクト型の企画を多く手がけている。
2005年から移動型ラボ「MOBIUM」を主宰し、「shoboshobo 2005」「MOBIUM TOUR 2019 移動する研究室」「TOYOTA HACK CAMP」などを企画。
「MOBLAB 日独メディアキャンプ2005」、「織り目の在りか 現代美術in一宮」(2018)、「NAMURA ART MEETING」(2012)などに参加。
2011年から主宰する「NODE-Lab」では、ワークショッププログラム「WORKSHOP SHOWCASE」日韓交流事業「CONSONARE」などを企画運営。
あいちトリエンナーレ2016ではデジタルとものづくりのワークショッププロジェクト「Locus Faber Tsukulocca」のプロジェクトリーダーを務めた。
愛知県生まれ、愛知県立芸術大学、国際情報科学芸術アカデミー卒業、名古屋工業大学工学研究科修了。

"Storehouses"description: 名古屋、中川運河、大倉庫、1970年(昭和45年)様態 on paper-size:width 91,5 × hight 61 cms 24 × 36 inch) to enable framing


"Okaya Kura"description:名古屋、中川運河、岡谷鋼機中川配送センター、笹島倉庫と山本海運砂場工場倉庫、1968年(昭和43年)様態 on paper-size:width 91,5 × hight 61 cms 24 × 36 inch) to enable framing

クレメンス・メッツラー
https://www.clemensmetzler.photos

主にグラフィックデザインの仕事をしていますが、写真イラストレーションの作品制作も行っている。幼少の頃、ドレスデン国立美術館で、イタリアバロックの巨匠ベルナルド・ベッロット(カナレット)の絵画に感動し、それ以来、建築物を描いた絵画に関心を持ち、建築物の特徴を描写・写生した作品を制作しています。
今回の作品は中川運河をリサーチして集めた写真をつなぎ合わせて、イラスト的な表現を用いて、写真加工技術を用いて、古き良き時代の写真のように現実世界を描いています。
1965年ドイツ生まれ/1992年Burg Giebichenstein、国立芸術デザイン大学、ハレ美術学部、グラフィックデザイン科卒業/1998年来日/1999年クレメンス メッツラ- デザイン事務所設立、主なクライエント:アイシン・エイ・ダブリュ、スズケン社、ブラザー工業/2008年 個展「コミュニケーションデザイン展」、名古屋セントラル・アートギャラリー/日本デザイナー芸術学院、大同大学、愛知県立芸術大学 非常勤講師/CCC会員

photo:Katie Harmsworth


manga:蒼崎直(アオサキナオ)

クロノズ
1999-2000年冬に偶発的発生したクロノズは流動的なパフォーマンス・インスタレーション・プロジェクト。クロノズはクロノをオリジナルとした増殖ダンサーの集団であり黒ブチの眼鏡、青いワンピース、黒靴に黒髪のヘアスタイルで現れる。(オリジナル以外はパーティ用のカツラを使用。) 増殖ダンサーも固定のメンバーをオリジナルのクロノズ本人以外持つ事はなく、プロジェクトによってはオリジナルクロノズ本人不在の場合もある。 近年はダンスに限らず一般の参加者を巻き込み、写真作品のモデル、海外の演劇祭などの大規模イベント、参加人数を限定した茶会なども実施している。 参加者は固定のメンバーをオリジナルのクロノ本人以外持つことなく、プロジェクトによってはクロノ不在の場合もある。 今回、「都市の方舟」展では、浅井雅弘氏の写真作品の素材となり、概念化された身体を仮想上に存在させ、さらに仮想化されたクロノズと生身のクロノズと混在させる事により、存在/不在の境界線を不明瞭にした。

クロノズコミック

「Harvest」2017 130.3 x 162 cm Oil on canvas (Private collection) ©Kazuya Sakamoto Courtesy of nca | nichido contemporary art


「Landscape gardening」2014 227.3 x 545.4 cm Oil on canvas (Taguchi Art Collection)©Kazuya Sakamoto Courtesy of nca | nichido contemporary art

坂本和也
自身の趣味であるアクアリウムを通して、生態系の構成要素のなかに現代の社会環境と自身を取り巻く生活との類似性をみたことから、近年は植物を題材にして絵画を制作しています。 本展の作品は2013年から2016年に描かれた、水草をモチーフにしたシリーズです。 近年、美術館や海外の展覧会に出展するなど活躍の場を広げ、若手の中でも注目される画家の一人。 2022年にはバルセロナにあるレジデンスESPRONCEDAで滞在制作、展覧会の開催を予定しています。
1985年鳥取県生まれ。現在愛知県在住。2012年 名古屋芸術大学 美術学部洋画2コース 卒業 2014年名古屋芸術大学大学院美術研究科美術専攻同時代表現研究領域 修了 2017-18年、文化庁新進芸術家海外研修制度にて台北に派遣。 主な展示に、「Next World―夢みるチカラ タグチ・アートコレクション × いわき市立美術館」 いわき市立美術館(2021)、 「Spring ephemeral」 nca | nichido contemporary art, 東京(2020), 「Symbiosis」 galerie nichido Taipei, 台北 (2018)、 「Landscape gardening」 米子市美術館, 鳥取 (2017) 等。

Gymnastics 電柱


金メダリスト

杉山享平
1994 三重県生まれ、2019 愛知県立芸術大学大学院修士課程彫刻領域 終了
グループ展 2018 BLACK TICKET(黄金4422BLDG・愛知)2018 足助ゴエンナーレ(足助町・豊田市)個展 2019 gymnastics 電柱(N –mark・名古屋市)2019 鹿ではいられない(GalleryFINGERFORUM・名古屋市)受賞歴 2018 愛知県立芸術大学卒業修了展 桑原賞

STONES PERFORMERS


RHINOCEROS

野田智之
動きを取り入れた作品を中心に制作している。動きは、楽しさ•哀しさ•怖さを背負っている。動きは、私のメッセージを見 る人と共有するために重要である。動きは、私と人とのコミュニケーションの手助けをしてくれるだけではなく、 作品と人をつなぐ役割をもっている。近年、地域の方々を巻き込んでの制作や、 動きを取り入れたワークショップを多数手掛けている。
ナカガワ・アートキャンプワークショップ

日笠保
作品の素材に、日用品や日常的な事物を扱い、インスタレーションや環境芸術で、作品と“場”との関係性を追求するアーティスト。 今回は中川運河でのプロジェクト、ワークショップでできた成果物を展示しています。 1989年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了。主な展覧会では 2019年 美術館の七燈(広島市現代美術館)、2018年 富山市美術展2018(富山)、2017年・2016年 紀の国トレイナート(太地・串本 和歌山)、2013年 あいちトリエンナーレ2013「キッズトリエンナーレ(ワークショップ)」企画(愛知芸術文化センター)、2010年 2010NIGATAオフィス・アート・ストリート(新潟)、2009年・2008年 ゲンビどこでも企画公募(広島市現代美術館)など。

sole stamp


How to make white cube.素材:衣服、キャンバスフレーム、タックス、アクリル制作年:2018~

前川宗睦
身体と空間をテーマに絵画をベースとした表現を試みる作家である。ここ数年は壁と身体との関係を中心に作品を展開してきた。彼は壁や床は身体に対し何らかの不自由な状態をもって空間を作り出すと考えている。この壁があることによる不自由さを、身体を持ってどのようなアプローチができるのか?できないのか?絵画という手法をとりながら、様々なアプローチを試みている。今回の作品では、鑑賞者が作品を探す状況や展覧会の動線へと関与する。これによって作品と鑑賞者の身体性について作品化できないか試みる。
1986 愛知県生まれ。2012 名古屋芸術大学大学院 同時代表現研究 修了。
主な展示に2020「ファン・デ・ナゴヤ2020 ここに在るということ」(市民ギャラリー矢田/愛知) 2019「Art in Country of Tokyo 2019」(式根島/東京)「ART FARMing」(綿覚ビル/愛知) 2017個展「DEATH SPIRAL」(ギャラリYEBISU ART LABO/愛知)

星屑の荒野


カゲワニ

宮本宗
かつては都市のような、人工的な風景のなかに満ちるエネルギーの痕跡をテーマに、ミクストメディアを用いてそうした気配を思わせる風景をモチーフに創作していた。それはある種、私自身を取り巻くエネルギーを具現化することで身体と都市の関係を考察するものだった。現在はそこから派生した身体の可能性についての考察、異質な素材による身体のデフォルメ、機械化、また他の生物の身体構造を用いた彫刻作品、パフォーマンスなど独自の身体表現を模索している。
2016「アーツチャレンジ2016」愛知芸術文化センター(愛知)「宮本 宗 田中 彰 construct / carving 」Gallery blanka(愛知)「愛知県立芸術大学 50 周年関連事業彫刻専攻企画 Blue Birdsー森の向こうー」愛知県立芸術大学(愛知) ,「中川運河芸術さんぽ」中川リミコライン・アートプロジェクト(愛知) ,2017  「ART FAIR TOKYO 2017」東京国際フォーラム/小林画廊(東京) ,『デザイナーズチェアコレクションズ展』コンテンポラリーア-ト(愛知) ,「中川運河堀止芸術村」中川リミコライン・アートプロジェクト(愛知) ,2018  「CURRENT EXHIBITION」小林画廊 (東京) ,「六本木アートナイト オープンプロジェクト2018」(東京) ,「THEORY OF HUMAN MACHINE 」masayoshi suzukigallery(愛知)

不足の事態


全自動土下座珈琲

武藤勇
「人と人との接点」を主軸に参加型(鑑賞者を巻き込む)の作品製作をしている。主な作品にはオリジナルの似顔絵を元に、ねずみ算式に自画像が作者を変えて複製されてオリジナルからはかけ離れたものになっていく、「リレーする肖像」、4tクレーン車を茶室に見立てた「四輪茶会」、土下座をするとコーヒーが出てくる「全自動土下座珈琲」など、作品を介したユーモアのあるコミュニケーションを手法としながら、経験値としてのアートを提示している。今回の作品は中川運河の泥を採取して染める泥染めの延長で名古屋で一番黒く染められる、伝統工芸黒紋付けの技術を持つ山勝染工(株)の技術で名古屋で一番黒い染物を制作。
主な活動1974 年 愛知県生まれ。1997年 名古屋芸術大学・造形実験コース卒業、1998年 CCA 北九州アーティストリサーチコース終了。2009年 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科修了。1998 年より『N-mark』を開始。主なプロジェクトに「ミーティングキャラバン」、「名港ミュージアムタウン」、「くうちゅう美術館」「中川運河リイミコライン・アートプロジェクト」「黄金4422.bldg」など野外展まで幅広いアートディレクションを行う。

information



実施主体
名古屋市

企画
N-mark

芸術監督
武藤勇

会場設計
水野茂朋、桂川大

デザイン
伊藤博和

VR撮影
加藤良将

特別協力
福島奏・岡田青空・久野裕美子・宮島和美・尾國裕子

助成
公益財団法人小笠原敏晶記念財団

協力
公益財団法人名古屋まちづくり公社名古屋都市センター、一般社団法人日本イベント協会中部本部、山勝染工(株)、エイトデザイン、nca|nichido contemporary art

金山南ビル美術館棟ウェブ内覧用展覧映像化事業