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something great
設楽陸 / Riku Shitara Solo Exhibition


《100のBAKUDAN》2021 より一部抜粋

something great
設楽陸 / Riku Shitara Solo Exhibitio

2021年9月18日(土)-10月10日(日) 
13:00-20:00 / OPEN 金・土・日曜日(但し9/20,9/23はオープン) / 入場無料
会場:長者町コットンビル 主催:N-mark 協力:タネリスタジオビルヂング
助成:令和3年度瀬戸市アーティスト活動支援事業 ~ せともんアーティスト in newnormal ~公益財団法人小笠原敏晶記念財団


Something greatとは量子論で「大いなる何か」という意味でこの宇宙の最小単位、素粒子が生まれる謎の背景(究極の領域)のことであり、科学的な用語の中でも非科学的、哲学的、神秘的な要素を含む言葉です。

絵を描き始めた頃、絵のことなど何も分からなかった僕は素直に自身の「内なる現実」を見つめていた気がします。しかし、画家としてのキャリアが13年と長くなってくると「絵画とは?」とか、「美しい構図を」とか、「もっと複雑な文脈を」とか、「私を取り巻く世界を」とか、気づけば絵画のルールやこの世の現象ばかりを追い求めていました。情報過多の渦に巻き込まれ、そこから抜け出すべく同じ型の絵を1ヶ月で100枚描くという修行を勝手に敢行しました。そして、100枚の絵を描き終え、その過程で生まれた新たな素材の発見や世界に対する視座、再解釈をレゴブロックの人形、コンクリートブロック、TVゲームの地形や背景で主に構成されマクロとミクロが織りなす世界を通し今回展示されるS100号2枚、200号2枚、M300号1枚のキャンバスに描くに至りました。

例えそれらが取るに足らない妄想だと思われたとしても、紛れもない現実でありヒストリーなのです。今年かけがえのない人を失いました。でも世界は美しいままでした。それはその人が残してくれた美しい世界に今僕が生きているから。

設楽陸




誤解を恐れずに書くなら、設楽の作品は決してキレイでもお洒落でもない。重層的に折り重なるイメージはかわいいものでもないし、超絶技巧が目を引くものでもない。つまり、誰の作品にも似ていないし、誰も真似できないオリジナリティを有している。上手くあろうとするのではなく、自分自身をさらけだした設楽本人の人間味が溢れ出ている。執拗に描かれる、テレビゲームのダンジョンや自身の妄想、宗教的イメージは設楽が幼年期から今も経験している日常である。中でも多く描かれているのが爆弾である。それも現代的なものではなく、漫画やテレビゲームなどで見られる、導火線で爆発させる鉄球タイプのもで、本展における重要なモチーフでもある。子どもたちが無邪気に描くようなそれは兵器としてのアイコンではなく、想像力や生命力、ポジティブなエネルギーの塊である。それを爆発させるために導火線を走る火は、暗闇に覆われた現代を照らす小さな「暗闇の中の光明」のようでもある。それは設楽の座右の銘でもある。2021年、社会は増々混沌とし、闇は濃くなるばかりだが、トラウマ化しそうな日常を突破するため、設楽は今日も狭い共同アトリエで描き続ける。

N-mark


設楽陸(したら・りく)略歴
1985年 愛知県に生まれ 2008年 名古屋造形芸術大学 美術学科 総合造形コース卒業個展2009 parallel reality(CAS /大阪)2011 シミュレーテッドレアリズム(ギャラリーM /愛知県)2012 サルと兵士と爆弾と僕(ギャラリーM /愛知県)2019 INNER VISIONS ~絵の帝国~ (マサヨシスズキギャラリー/愛知県)グループ展2008 TRANSIT 2008 (カーネギーメロン大学ミラーギャラリー/ピッツバーグ) Dual Life (愛知県美術館ギャラリー/名古屋)2010 あいちアートの森 (東陽倉庫テナントビル/名古屋)2008 Asia Students and Young Artists Art Festival (ソウル旧駅舎/ソウル)2010 感じる世界、紡ぎだす物語 (ギャラリーM/愛知県)2012年 ポジション2012(名古屋市美術館/名古屋)モニターとコントローラーの向こう側へ(ニュートロン東京/東京)2013 Flesh and bone (海岸通ギャラリーCASO/大阪)2015 Sky Over 1 (アートラボあいち大津橋/名古屋)2016 設楽陸&矢島与萌【MATANOZOKI】(gallery blanka/名古屋)となりの人びとー現代美術 in 春日井(春日井文化フォーラム/愛知) PLAY vol.1-表現における遊戯性- (かわら美術館/高浜市)2017 sign-pos 設楽陸、鈴木一太郎二人展 (art space & cafe barrack/瀬戸市)惑星ノマ――PLANET NO-MA(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA/滋賀県)2018 なごや寺町アートプロジェクト×タネリスタジオ現代美術展 EMPOWERS 寺町とアート、繋がる輪の物語(寺町/名古屋)2019 ワンダーピーポー 設楽陸・鈴木優作二人展(Art Spot Korin/京都)瀬戸現代美術展2019(瀬戸サイト/瀬戸市)情の深みと浅さ(ヤマザキマザック美術館/名古屋)2020 RECEPTOR(マサヨシスズキギャラリー/愛知県)ポスト体育の日。展 (長者町コットンビル/愛知県)2021 VOCA展2021 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─.(上野の森美術館/東京)




《SAKURA rosd》2021|2273mm×3636mm キャンバスにアクリル、スプレー、シリコン

《Smile Bomb》2012|606mm×727mm キャンバスにアクリル

《Thermography》2007|606mm×727mm キャンバスにアクリル


《Shadow》2017|1620mmx1303mm キャンバスにアクリル


《Bicycle》2021|11620mm×1620mm キャンバスにアクリ、スプレー




会場
長者町コットンビル
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2丁目11−24