2000年のこの映画!! TEXT by Marie Nakajima | ・映画「エリン・ブロコヴィッチ」(主演:ジュリア・ロバーツ) 人が映画を観たいと思う時、何を一番求めているか?それは気分転換だったり、好きな俳優が出ているとか話題だからとか、人によって色々理由があるかもしれない。いずれにせよ、一番大切なのは現実を忘れて映画の世界に浸り、スカッとしたりホロッとしたり、何かしらの感動を得ていつもより元気な自分になれることだと思う。そんな意味で、私が観た2000年の映画の1作を選ぶとすれば、ジュリア・ロバーツがバツニ(離婚暦2回)の3人の子持ちシングル・マザーを好演した「エリン・ブロコヴィッチ」である。 ロバーツ演じるヒロイン、エリンは好学歴も職歴もナシ、それどころか別れた夫(達)からの援助や保険もなく、あるのはたまり続けた請求書、そして3人の幼い子供たち。こう聞くと不幸のどん底だが、彼女は持って生まれた(?)ナイスバディと豪快な仕事振りで、目前に立ちはだかる困難をくぐりぬけ、上司兼相棒のエドと共に、史上最高額の公害訴訟和解金を見事ゲットする、という痛快なサクセスストーリーなのだ。しかも、実際にアメリカのカリフォルニアに彼らのオフィスがあり、これは事実に基づいたノンフィクション映画でもある。 主人公エリンの何が映画を面白くさせたか、それは彼女が“私達と同じ”と思わせる「親しみやすさ」にあると思われる。いわゆるハリウッド映画の“良い母親像”のイメージとも、法廷ドラマのヒロインのイメージとも全く違い、ケバいメークに派手な服、極めつけはこれ見よがしに豊胸ブラで上げた豊満なバスト。そして決して上品とはいえない言葉遣いも、とても教養があるとは思えない。しかしジュリア・ロバーツが演じることにより、嫌味なく、むしろ爽快なまでに“エリン・ブロコヴィッチ像”が実現されたようだ。 最後に、この映画に学んだこと。エリンのような“働くお母さん”になりたかったら、彼女の持つ美貌や巨乳よりも必要なものは、ズバリ“ジョージ”男である(注:エリンの恋人)。なぜって、あんなに家庭的で(都合の)いい男はいるだろうか?映画の最後にエリンが言ったように、彼なしでは彼女の成功はなかったかもしれない。そして映画にとっても貴重な役どころだったはず。声を大にして、「ジョージよ、ありがとう」と言いたい。 | |
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