週刊「÷3」 TEXT by Maki Takemoto 竹本真紀 profile1976 青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。 1992 1994 1999 2000 今後の予定 「ガチャポン・トンチキ・プロジェクト」東京都現代美術館 ギフト・オブ・ホープ展内 '01.1.20.2:00〜 new!'02.2 銀座小野画廊IIで個展開催 '01.7 柏寺島文化会館で個展開催 | 常磐線下りでちかん発見。 それは満員電車でのできごと。わたしは帰宅するために上野から電車に乗った。日暮里駅にとまると、大勢の人が乗り込んできた。常磐線には通称白電と緑電とあって、白は取手より先の土浦などに向かう長距離電車。東海村の事故のときは運転がとまっていた。緑電は取手または成田行きの快速電車。わたしが乗っていたのは白電で車両によってはボックス席になっているので、混み方も微妙で、ドア付近のみがやたら混んだりする。そんなわけで、日暮里から人が一気に乗ってきたのだが、ちょっと体をひいたらぽっかり小さな隙間があいた。わたしの斜め前には女子高生。その後ろに男がぴったりくっついている。その男の後ろにはもう人がぎゅうぎゅうで、わたしがひいてあいた空間に男がちょっとよければ少しはらくになるのに。と思っていたが男は目を閉じているので気がついていないらしい。わたしはその男の様子がおかしいのに気づき、でもちかんと決めつけるには微妙なので、少女の顔や男の手元を本を読むフリをしながら観察した。すると、まもなく男は少女のスカートをつかみはじめた。だんだんとたぐりよせている。ヤバイ。と思い、とっさに少女の肩をたたき、「こっちに来ませんか」と男と離れた場所に移動させようとすると、少女も「すみません。」と言って移動した。白電は時間によっては、三河島と南千住には停車しない。北千住でとまったら絶対男をひきずりおろしてやると思いながら、少女と男の間に立ちながら待っているとついに北千住に到着した。少女が降りるようだったので先におりるようにして、送り出した。男はたよりなげにゆらゆらしながら小声で「すみません。」と言って降りていった。男が降りた後、後ろにいた女性に「大丈夫ですか?」と声をかけると、自分の前にいた人がちかんだったことに全く気づいてない様子だった。恐ろしい。こんな場所で平然とちかんするヤツが一番ゆるせないが、そのことに誰も気がついていないことの方がもっと怖い気がした。
個展情報。 寺島文化会館の広報、ホームページにエッセイ書きます。いつ載るのかしら?寺島文化会館ホームページアドレスです。http://www.tekisuiken.or.jp/
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