週刊「÷3」 TEXT by Maki Takemoto 竹本真紀 profile1976 青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。 1992 1994 1999 2000 今後の予定 「ガチャポン・トンチキ・プロジェクト」東京都現代美術館 ギフト・オブ・ホープ展内 '01.1.20.2:00〜 new!'02.2 銀座小野画廊IIで個展開催 '01.7 柏寺島文化会館で個展開催 | 新年あけましておめでとうございます。 久しぶりにゆっくりとしたお正月を迎え、世の中こんなにお店はやっていないのかと改めて驚きました。 お正月はなんとなく改めて家族というものを考えさせられるときでもあり、神奈川に住む妹を連れて埼玉のいとこの家へ行ってまいりました。なにをするわけでもなく、ぼ〜っとTVをみて、おせちを食べ、ひとみしりのいとこの子供(1歳半)の行動を観察していました。なにもなくただ緩やかに時間が過ぎていくこと。それがどんなにか心地よいものか、久しぶりに感じました。ただ、青森の竹本家では、家族全員がそろう事なくなんとなく正月というものが過ぎていっているのだと思うと不憫に思えてならなかったのです。父と母が別れて最初に迎えるお正月は、思ったよりも寂しく感じました。すっかりと「家族」というものから離れて暮らしているため、「家族」がいとおしくも煩わしくも感じられた瞬間でした。 年明けすぐの日曜日、おはづかしながら初めて水戸芸術館へ行ってまいりました。「オノヨーコ展」をみました。 ふつーに良かったです。というかいままで自分が作ってきた作品がすごくオノヨーコっぽいことに改めて気づかされ、気はづかしくなりました。実際にみたかった作品がほとんどあってうれしかったです。最近現代音楽に触れたことで、また違った見方もできたように思いました。お正月に「家族」というものに触れ、なんとなく遠ざかっていた世界に体半分戻ってしまい、知らないうちにバランス感覚を失っていたような気がしました が、オノヨーコによって 再びヤクザな道へ舞い戻ってしまったようです。悲しいかな、こちらの方が自分らしいようです。 水戸からの帰り道、電車の中で読んだ本にこのようなことが書いてありました。「ホワイトニグロというのがある。自分が白人なのに黒人に同情し、黒人の仲間に入って、黒人解放の問題に熱中し、黒人の立場に立つ。一種の原罪意識から出ているんだけど、そのため白人からは『あいつは黒だ』と言われ、黒人からもやっぱり、『あいつには、本当におれたちのことなんかわ からないんだ』と疎外される。同じように、南にいて北を思う人間も、北に生まれて北を捨てた人間も、つねに内部に欠落を持ちつづけることになる。それは一種の太宰治的な『う しろめたさ』だと思う。そういううしろめたさを何かによって埋め合わせようとする。」家族に触れ、なんだかよくわからないだるさに襲われ、その後オノヨーコ展をみて自分の歩く道に引き戻された時差ぼけ的な感覚がなぜだかこの一文によって 解消されたきがしました。 ナイスアシスト!!寺山修司!!
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