「APPLE 」
ドキュメンテイション



APPLE
N-mark collection2000

名古屋港の倉庫群で
開催予定の展覧会

2000/10/10 〜 10/15

アーティスト
澤登恭子SWANOBORI Kyoko (Tokyo)
木村崇人KIMURA Takahito (Tokyo)
北山美那子KITAYAMA Minako (Nagoya)
高平真帆 TAKAHIRA Maho (Fukuoka)
佐藤優 SATO Yu
(Tokyo)
溝口康彦 MIZOGUCHI Yasuhiko (Nagoya)
小川良子 OGAWA Ryoko
(Nagoya)

ビデオプログラム

 

展覧会「APPLE」を終えて
「APPLE 」ドキュメンテイション


りんごは落ちた。


確かにリンゴは落ちた。その瞬間を何人が見ることが出来たのかは解らないし、またその中の何人が、歴史的大発見をすることになるのかはわからないが、確実にリンゴは床にに落ちた。歴史的な大発見ができるかどうかは解らないが、最低でも僕には見ることができた。


なぜ展覧会を企画するのか?

そんなことを思いながら僕らに何ができるのか考えながら、1年ぐらい前から学芸員、ギャラリスト、コレクターその他の美術関係の職につくそれとは違うものを漠然と目標とし展覧会「APPLE」は計画、準備をすすめた。※1N-markは1998年12月により純粋で興味ある作品や作家のある場所を作り出すことを目的として結成されたアートグループで、その前の年までは展覧会スペースをもってやはり若いアーティストの開発、プロデュースみたいなことをしてきた。
  展覧会「APPLE」の企画は、僕らのような展覧会を企画する事のプロフェッショナルではないものにとって、またスタッフの少ない僕らにとっては想像を超える過酷なことでもあった。常識も法則も、礼儀も知らない、僕らにとってただ手探りで思うところの理想を追うところのみであった。また助成金など一つの書類を作るのに最低でも1ヶ月はかかってしまう。数件の書類を作っては提出、という行為を繰り返したが、書類を受け取ってくれたのは※2「ドキュメント2000」だけだった。また、距離の離れた作家とミーティングをするのにも数万円の経費がかかってしまう。 自分自身の作品を考える余裕、作る余裕なんて全くない。これも自分の表現活動の一つであると信じて進めてきた。 7人の作家には手弁当で参加してもらっている。手弁当もご飯に梅干し位の質素なもので参加してくれた作家には正直にいって頭があがらない。 なぜそこまでしてやらなければならなかったのか? 正直に言って解らない、サポートしてくれたドキュメント2000の方達はもっと解らなかったのではと思う。実際に愛知県や名古屋市の某美術館の人にはそういわれた。「作家は純粋に作品だけ作ってればいいんだよ。」僕も確かにそう思っている。 ただ単に規模の大きな展覧会をしたいわけじゃないし、これをして有名になりたいのでもなく、沢山の人たちに見に来てもらえればうれしいが、それが目的ではなく。ただもっと純粋なアートがみたかった。アートの生まれる瞬間を見たかった。より純粋でリアリティーあるアートの生まれる瞬間を見たい。そんな場を作りたい。ただそれだけのことだった。「万有引力の法則」という作品をではなく、ニュートンが「見た」「リンゴが落ちる瞬間」を僕らも見てみたかった。それが展覧会「APPLE」だった。

 

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