溝口康彦
MIZOGUCHI Yasuhiko
(Nagoya)




APPLE
N-mark collection2000

名古屋港の倉庫群で
開催予定の展覧会

2000/10/10 〜 10/15

アーティスト
澤登恭子SWANOBORI Kyoko (Tokyo)
木村崇人KIMURA Takahito (Tokyo)
北山美那子KITAYAMA Minako (Nagoya)
高平真帆 TAKAHIRA Maho (Fukuoka)
佐藤優 SATO Yu
(Tokyo)
溝口康彦 MIZOGUCHI Yasuhiko (Nagoya)
小川良子 OGAWA Ryoko
(Nagoya)

 

ビデオプログラム
詳細は会場にて発表

 

2000年10月10日 N-mark主催する展覧会「APPLE」が名古屋港ガーデン埠頭20号倉庫で始まった。 この展覧会は7名のアーティストが東京、名古屋、福岡から参加し、僕はその内の1人として臨んだ。

オープニングの6時には既に数十人の来場者で賑わっており20号倉庫は活気にあふれ、 アーティスト、スタッフ,来場者が互いに「刺激」を求め合い、瞬く間に社交場となっていた。 そんな中に当然ではあるが、僕の出品した2枚の「盆栽」は存在していた訳である。
 自身の作品が展示される事により普段は意識する事のない意味や問題が浮かび上がる。 それまで何度か美術館やギャラリーに足を運び見て来たが、今回のような「衝撃的」な出来事はなかった。 課題が瞬時に伝わってくる。この回答は次の活動にいかしていけばいいと思うし、是非、期待していただきたい。

「衝撃的」とは、特にオープニングから1時間が経とうとした頃、木村崇人さんのパフォーマンスが始まった時の事だった。 木村さんの周囲には30〜40人の観客が鋭い視線を送っており、辺りは物凄い緊張感で包まれていた。 そんな中で木村さんはパフォーマンスを進めていった。 自分の目を疑うような内容。「これはプロの仕事だ」僕が美術で仕事をするという事を理解した瞬間。 これが「APPLE」に参加して最大の収穫だったと思う。 あと、最終日に北山美那子さんが「盆栽」の空間でパフォーマンスをされた時は正直、参った。 なぜなら会期を通じて最も「盆栽」が良く見えた時間だったのだから。 こういう事も含め、「APPLE」では多くの事を感じ、学んだ。もちろん課題も沢山ある事も理解した。

僕は展覧会前の数日間、常に重圧を感じていた。思い出すだけで激しくなる鼓動。 興奮とその対極にある不安とで揺れ、長い夜が続いた。 そんな中、「盆栽」に自身の理想の形を求めながら毎日を送ったのだが「APPLE」を終えて 個人的な葛藤は小さな出来事だったんだと今、思います。

 7名のアーティストの中で最も経験値の少なく、特殊な例として僕が参加した意味。 N-markとの関係というよりも、武藤勇さんと個人的な繋がりでの参加。 それは明らかに未知数である人間との仕事であったに違いなく、 僕の不安はむしろ武藤君の方が感じるところだったんでしょう。
 これは全てを終えてから分ったことですが。 参加アーティストの佐藤優さんも今回がデビューだったそうですが、いきなりいい仕事されていましたね。 単純に比較して自分の表現に弱さを感じました。 参加アーティストの顔ぶれは美術館デビューもされている方からしばらく美術と離れていた人までという幅の広さ。 N−markのアーティスト編成には明らかに美術館のそれとは違うスタイルが見て取れるのではないでしょうか。

あと面白かったのが木村さんと少し話をした中で「ギャラリーで仕事をする場合、経済的負担が大きく、 経験を積むだけでも大変な事で、今回の話はアーティストとして非常に助かるもの。」と、おっしゃっていた事。 経験を積みたいアーティストがおもいきって実験の出来るチャンスを提供してくれるN-markの活動意義は大きく、魅力的です。 あらためて、今回の「APPLE」に参加してみて、 「若いアーティストと共にN−markは育つ」といった謳い文句に間違いはないと思いました。 個人的な提案ですが木村さんや沢登さんはN-mark東京支部宣伝部長も兼任しましょう。

中々アート中心に活動出来る方ばかりではなかったりして苦しい時期ではあると思いますが、僕はN-markが力強く 成長していってほしいと願っている者の一人でありますんで、猫の手を借りる前には必ず声を掛けてください。 個人的にも、「APPLE」に参加した一人のアーティストとしても、改めて他の6人のアーティスト、スタッフ(特に武藤勇さん)、来場者の皆さんに感謝します。 ありがとうございました。

溝口康彦

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