artist file '99
exhibitions'99 at JINRYO




「哀しい形容詞を待ちわびる」
小川良子個展
1999年12月11日(土)〜12月26日(日)

小川良子は死んでしまう。
彼女がこう断言したのは、この夏の「PORT PEOPLE」での出品作品「このままでは死んでしまう」からだ。辺りとの関わりに対し、過剰に反応してしまう彼女は 外敵(社会、日常、感情)と、戦わなければいきてはいけない。だから身を守るための装置(方法)を作品化してきた。彼女は肉体と心における二面性を、存在と感情に転換し、肉体(肉塊)におけるリアリティーとしての「痛み」もしくは「死」を根底とした自我への欲求を「悲しみ」に位置づけてきた 。その肉体的自虐行為はいつしかマゾヒス的な行為へと変容し、リアリティーがある到達点(オルガズム)に達したとき、肉体的なものから精神 的なものへと進化したのだといえる。そしてそれら精神は本来定義として提示されるのに対して、彼女は定義することをシステム化することで、無的リアリティーからあらたな感情を生み出す装置をつくりだそうとしている。 その装置は、新しい感情を生むことを期待している作家小川良子の自己を愛し社会への転換を図ろうとする現代に生きる女性としての強度なのだ。

今回のN-MARKで行われる『哀しい形容詞を待ちわびる』小川良子展では、あまい臭いと 大量の赤い液体によって、沈澱し蓄積された彼女の飽和した「悲しみ」をシステムとして転換するための巨大な装置による壮大なインスタレーションが展開されます。 

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artist profile

biography

    1975/愛知県豊橋市生まれ
    1998/名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画コース卒業 1999/同学研究生終了

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